大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)2392 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人茂手木豊治の上告趣意について。

論旨は判例違反を主張するのであるが、論旨に引用の大審院の判例は賄賂そのも

のが贈賄者に返還された場合についてのものであつて、収受した賄賂そのものは返

還されず、生活費等に費消されたものであること判文上明らかな本件の先例として

は適切でない。そして、所論のように被告人の収受した賄賂を費消して終つた後ち

その金額に相当する額が返還されたとしても、かかる場合に被告人は相当額の追徴

を免れえないものであることは、論旨に指摘する当裁判所の判例(判例集三巻一二

号二〇二三頁以下参照)の趣旨とするところであつて、今これを変更するの要を認

めないから、論旨は理由がない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い裁判官全員一致の意見で主文の

とおり判決する。

昭和二七年三月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!